ECサイトにおける「コンバージョン」とは、一般的に訪問者が商品・サービスを購入することを指します。そのため、訪問者がどの程度の割合でコンバージョンに至ったかを表す「コンバージョン率(CVR)」は、ECサイトの売上に直結する重要な指標のひとつです。

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ユーザー視点に立ち、サイトの使いやすさを改善していくことで、コンバージョン率の向上が期待できます。
本記事では、ECサイトのコンバージョン率の平均や改善方法、役立つツールを解説します。ECサイト運営に関わる担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ECサイトにおけるコンバージョン・コンバージョン率とは
コンバージョンとは、Webサイト運営における最終的な成果のことです。商品・サービスの購入だけでなく、問い合わせや資料請求といったアクションもコンバージョンに含まれます。
ECサイトの場合は、商品・サービスの販売がサイト運営の目的になっているため、コンバージョンも商品・サービスの購入になるのが一般的です。
ECサイトにおけるコンバージョン率(CVR)とは、サイトを訪問したユーザーのうち、商品・サービスを購入した割合を表したもので、次の式で求めることが可能です。
例えば、サイト訪問者数が100人で、そのうち5人が商品・サービスを購入した場合、コンバージョン率は5%となります。
実際にコンバージョンしたユーザーの数だけでなく、全体の訪問者数に対する割合も確認することで、コンバージョンを増やすためのヒントが見つかります。
ECサイトの平均コンバージョン率
自社のECサイトのコンバージョン率が適正なのかどうかを判断するためには、平均コンバージョン率を把握しておく必要があります。
ECサイト全体の平均コンバージョン率(CVR)は3%程度といわれていますが、商材や時期によっても違いがあります。例えば、おもちゃやゲームなどをメインに扱うECサイトでは、クリスマスに向けてコンバージョン率が伸びることがあるでしょう。
Eコマースのプラットフォームサービスを展開するIRP Commerce社は、2023年11月~2024年10月の平均コンバージョン率をジャンル別に公開しています。自社が扱う商品ジャンルの数値を確認し、コンバージョン率の目安にしてみましょう。
参考:Ecommerce Market Data and Ecommerce Benchmarks(英語)
コンバージョン率については、次の記事でも解説しています。ぜひ、参考にしてください。
ECサイトのコンバージョン率が低い要因と改善方法
ここでは、ECサイトのコンバージョン率が低い場合によくある4つの原因と、その改善方法について解説します。
- ユーザーが使いやすい設計になっていない
- 想定したターゲットと訪問者にずれがある
- 市場の変化に対応できていない
- 商品・サービスの魅力を伝えきれていない
ユーザーが使いやすい設計になっていない
ECサイトの使い勝手が悪いと、ユーザーが購入プロセスの途中で離脱してしまう可能性があります。
具体的には、購入までの複雑な導線やページの読み込み速度の遅さなどがあげられます。また、スマートフォンで閲覧した際にフォーマットが崩れていると、その時点で離脱するユーザーが増えてしまいます。
サイト構造をユーザー視点で見直し、直感的に操作できるようUI(ユーザーインターフェース)を整え、できる限り購入までのハードルを下げることが重要です。訪問者が商品購入までスムーズに進めるよう、サイトを見直しましょう。
▼改善方法
- レスポンシブデザインを採用し、あらゆるデバイスで快適に利用できるようにする。
- 画像の圧縮やコンテンツの軽量化を行い、ページ読み込み速度の最適化を行う
- わかりやすいカテゴリ分けを行う。
- キーワード検索や絞り込み機能を強化する。
- 購入ページの位置をわかりやすくする。
- 住所入力の自動補完や決済手段の選択肢を増やし、購入までのハードルを下げる。
想定したターゲットと訪問者にずれがある
想定したターゲットと実際にサイトを訪れたユーザーにずれがあると、コンバージョン率の低下を引き起こします。
広告のターゲティングが適切に行われず、本来のターゲットではない層に広告が配信されていることが、コンバージョン率が上がらない要因になっているかもしれません。アクセス数は増えているものの、コンバージョン率が上がらない場合には、特に注意が必要です。
自社の顧客データを再度分析し、ターゲットを見直してみましょう。
▼改善方法
- 自社の顧客データを詳細に分析し、ペルソナを再考する
- 訪問者の流入経路や属性に合わせて集客戦略を見直す
HubSpotは、CRM(顧客関係管理)を基盤とした総合型のマーケティング支援ツールです。見込み客や顧客に関する属性データや行動履歴といった詳細な情報の一元管理が可能で、広告の適切なターゲット設定に役立ちます。基本的な機能は無料で使用できますので、ぜひお試しください。
市場の変化に対応できていない
市場環境や消費者のニーズが変化しているにも関わらず、ECサイトがその変化に適応していないと、コンバージョン率の低下につながりやすくなります。
消費者のニーズは、トレンドや季節といった要素で大きく変わります。また、競合他社の新規参入や類似商品の発売などによって「顧客離れ」が起きることも考えられるでしょう。
自社の売上や戦略などの内部環境だけでなく、市場や顧客といった外部環境についても常にアンテナを張り、ニーズの変化を敏感にキャッチすることが大切です。また、消費者のフィードバックを積極的に収集し、サービスの改善に努めましょう。
▼改善方法
- 流行や季節に応じた商品ラインナップの更新を行う
- 定期的に市場調査を行い、業界のトレンドや競合の動向をリサーチする
- 調査データにもとづいて商品ラインナップや価格設定を見直す
- アンケートやレビューでユーザーの意見を収集して、サイトに反映させる
商品・サービスの魅力を伝えきれていない
商品の魅力が十分に伝わらないと、訪問者の購入意欲を引き出すことは難しいでしょう。
商品説明は、なるべく詳細な情報を具体的に記載し、商品画像は解像度の高いものを使用することが大切です。動画を活用すると、画像だけでは伝わりにくい素材感や着用イメージなどがわかりやすくなります。
購入者のレビューが多いと信頼性が高まるため、レビューの投稿を促すための施策も積極的に展開しましょう。
▼改善方法
- 商品説明を具体的かつ簡潔にし、特長やメリットを明確に伝える
- 高品質な商品画像や動画を掲載し、視覚的に商品の魅力を伝える
- 購入者のレビューや口コミの投稿を促進する
ECサイトのコンバージョン率向上に役立つツール
ECサイトのコンバージョン率を向上させるためには、次のようなツールの活用が効果的です。
- アクセス解析ツール
- ヒートマップツール
- Web接客ツール
それぞれのツールの特徴と活用方法を具体的に紹介します。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、ECサイトを訪問したユーザーの行動を把握するためのツールです。訪問者の閲覧ページや流入チャネルなどを可視化できるのがメリットで、コンバージョン率の改善につながる課題を発見できます。
代表的なツールにはGoogle アナリティクスがあり、訪問者の流入経路や使用したデバイス、地域などの情報を入手可能です。ユーザーの詳細な属性が把握できると、適切なターゲット設定にもつながります。
ヒートマップツール
ヒートマップツールとは、訪問者がサイト内でどのエリアに関心を持ち、どのような操作をしたのかを視覚的に示すツールのことです。
ユーザーがスクロールを止めてじっくりと見ている箇所やクリック数が集中している箇所は濃い色で表示され、あまり閲覧されていないパートやクリック数が少ない箇所は薄い色で表示される仕組みになっています。数値データだけでは把握できないユーザー行動を可視化できることが、ヒートマップツールの大きなメリットです。
購入ボタンの周辺など、コンバージョンにつながるエリアがあまり閲覧されていない場合は、導線やボタンのデザイン・配置・サイズなどを変更してみましょう。重要度が高いクリエイティブを改善することで、コンバージョン率が高まることがあります。
Web接客ツール
Web接客ツールとは、訪問者に対してリアルタイムでパーソナライズされた接客を行えるツールのことです。
チャットボットやポップアップを活用し、訪問者の質問に対して即座に回答したり、特定の商品をおすすめしたりすることができます。会計ページでよく見られる「あと〇〇円で送料無料」などのポップアップを表示させる機能も、Web接客ツールによるものです。
ユーザーの行動に合わせて表示するコンテンツやメッセージを変更することで、顧客体験が向上し、コンバージョン率の向上が期待できます。アップセル・クロスセルにもつながるでしょう。
ECサイトを最適化してコンバージョンを改善しよう
ECサイトのコンバージョン率を向上させるには、ユーザー視点を意識した最適化が欠かせません。分析と改善のサイクルを回し続けることで、顧客体験の向上が実現します。その結果、コンバージョン率の改善という企業側のメリットにつながるでしょう。
ECサイトの運営は、客観的なデータをもとにしたマーケティング戦略に沿って実施することが大切です。HubSpotが提供するMarketing Hubは、マーケティング活動の一元管理が可能なMA(マーケティングオートメーション)で、広告やメルマガといった施策を効果的に展開できます。
顧客の属性や行動履歴などから、ニーズに合ったコンテンツを作成することで、集客を強化します。また、既存顧客へ新商品やおすすめの商品を案内するなど、リピーターを醸成するためのツールとしても活用できます。施策を実行したら、データを分析して振り返りと改善を行うPDCAサイクルを回しましょう。
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